2009年3月14日土曜日

アルゴンプラズマ療法の治療費

アルゴンプラズマ療法は、アレルギー性鼻炎の治療の中でも最新の療法です。

アルゴンプラズマ療法は保険適用の対象内で治療が受けられます。

アルゴンプラズマ療法の治療費は、国保、社保家族など3割負担の場合、投薬料を含めて、      片側1回で約5000円、両側同時で8,000円から10,000円ほどです。

これは、レーザー療法の治療費とほとんど同じ程度です。

ただし保険の負担率、症状により治療費は若干異なります。

いずれにせよ、アルゴンプラズマ療法の治療費は決して高いものではないといえそうです。

アルゴンプラズマ療法のメリットとデメリット

アルゴンプラズマ療法は、アレルギー性鼻炎の治療法として近年注目を集めており、アルゴンガスの中に特殊な高周波電流を流すことで生じるプラズマによって、下鼻甲介を焼灼させる治療法のことです。

アルゴンプラズマ療法の長所、メリットとしては、次のような点が挙げられます。

レーザー療法とは異なり、プラズマでは「面」で治療できるため、治療時間が短くて済むこと

鼻水をアルゴンガスで飛ばしながら治療できるため、花粉症の患者がアレルギーを発症していても治療が可能であること

保険の適用対象となっていること

アルゴンプラズマ療法には副作用が現在のところ認められていないこと

一方、アルゴンプラズマ療法の短所、デメリットとしては、次のような点が挙げられます。

アルゴンプラズマ療法では、高周波電流を使用しているためにペースメーカーを装着している人は治療を受けられないこと

手術前に40分程度の麻酔薬をしみこませたガーゼを鼻の中に入れる必要があり、不快感を訴える患者がいること

痛みはほとんどないとされているが、治療後に痛みを感じる患者もいること

アルゴンプラズマ療法は対処療法であり、完全にアレルギー性鼻炎を治す方法ではないこと

アルゴンプラズマ療法は、レーザー療法と同様に、効果が持続するのは半年から2年程度とあまり長くないこと

アルゴンプラズマ療法を受けられる病院

アルゴンプラズマ療法を耳鼻咽喉科で導入している施設は下記のリンクから確認できます。

下記の医院の中には、現在アルゴンプラズマ療法を実施していない施設も含まれている可能性があるので、治療を受ける前に確認しましょう。

http://www.amco.co.jp/medical/topics/kafun/kafun_hospital.html#3

アルゴンプラズマ療法の術後の症状

アルゴンプラズマ療法の術後の症状は、次の通りです。

1.鼻汁

やけどによるやや黄色がかったドロッとした浸出液が多量に出ます。

この中には、血液を固める成分が多く含まれ、鼻の中でゼリー状になることもあります。

2.鼻づまり

アルゴンプラズマ療法の術後1~2週間程は焼灼した下鼻甲介粘膜部が腫れ、表面にかさぶたが付くため、一時的に治療前より鼻づまりの症状がひどくなります。

しかし、10日ほど経過した後、鼻をかんだときに大きなかさぶたが出ると、その後鼻づまりは改善していきます。

3.鼻血

個人差がありますが、1ヶ月前後鼻水に薄い血が混ざる方もいます。

創部は開放創ですので、強く鼻をかんだりすると出血する場合があります。

アルゴンプラズマ療法とレーザー療法の比較

アレルギー性鼻炎の治療でよく用いられるレーザー療法と、アルゴンプラズマ療法はどのようにちがうのでしょうか。

アルゴンプラズマ療法は、厳密にはレーザー療法とは異なるものの、粘膜を焼灼・変性させアレルギー反応を抑えると言う原理・目的は一緒です。

アルゴンプラズマ療法では、レーザー療法よりも薄くムラなく均一に焼灼でき、ほとんどの場合両側一度に終了することができます。

レーザー療法では、レーザー光線の出る点で焼いていくため、広い面積を焼灼するのに時間がかかります。

レーザー療法で下鼻甲介全体を焼灼すると10~30分ぐらいかかります。

アレルギー性鼻炎の治療によく使われている炭酸ガスレーザーは、鼻水が出ている状態ではうまく焼くことができません。

一方、アルゴンプラズマ療法はアルゴンガスで鼻水を吹き飛ばしながら処置できるためアレルギー症状が出ているときでもアレルギー性鼻炎の治療が可能です。

また、アルゴンプラズマ療法は面で焼灼するため下鼻甲介全体を焼灼するのに2~3分しかかかりません。

2009年3月12日木曜日

アルゴンプラズマ療法の治療の流れ

アレルギー性鼻炎のアルゴンプラズマ療法ついて初診から術後までの流れを説明します。

最初に、問診等で鼻の状態を確認し、アレルゲンの検査などを行います。血液検査は、アレルギーの状態を把握することに加えて院内感染防止の意味もあります。

アルゴンプラズマ療法ではその名の通り、基本的にはアルゴンプラズマを使用しますが、アルゴンプラズマが使用できないようなペースメーカーを使用中の方などのケースでは、他のレーザーを使用して治療が行われます。

アルゴンプラズマ療法の治療時間は5~10分程度、出血や副作用のない手軽な日帰り治療です。

手術に際しては、最初に鼻腔粘膜の麻酔のため、麻酔液を浸したガーゼを片鼻に3-4枚挿入します。約25分から30分程度留置すると麻酔が完了します。

次に、電気を逃がすために、右腕内側にアースのテープを貼ります。

さらに、アルゴンプラズマにより下甲介粘膜を蒸散します。手術所要時間は両側で約5分間です。創部には止血用のスポンジを挿入します。

最後に.約10分後にスポンジを摘出し問題なければ終了です。

アルゴンプラズマ療法でのアレルギー性鼻炎の治療後は、かさぶたが出来た状態になりますので、鼻が詰まった感じができるはずです。

しかし、2週間ほどするとかさぶたが取れ、刺激に強い変性された粘膜が出来上がります。

この段階になると、鼻詰まりなどのアレルギー性鼻炎の症状は著しく解消されていきます。

術後、1~2週間目に再診を受け、鼻内をチェックします。

術後1週間は激しい運動は控えるように言われますが、食事や喫煙に制限はありません。

アレルギー性鼻炎のアルゴンプラズマ療法とは

アルゴンプラズマ療法は、花粉症などのアレルギー性鼻炎の治療に効果的な治療法のひとつと言われています。

アルゴンプラズマ療法は、花粉症などのアレルギー性鼻炎の治療法として最もよく用いられてきたレーザー治療よりも新しい治療法で、安全、短時間(片側約3~5分)で治療が行える上に、レーザー治療法と同等以上の効果が証明されています

アルゴンプラズマ治療法は、アルゴンプラズマ凝固法(APC)とも呼ばれる高周波凝固法の一つで、アレルギー性鼻炎で大きく腫れた下鼻甲介(かびこうかい)という鼻の場所を小さくして鼻つまりなどの症状を緩和させる治療法で、 短時間で行える外来手術です。

アルゴンプラズマ療法はアレルギー性鼻炎の治療に効果的で、特に鼻づまりに対しては80~90%以上の効果、鼻水やくしゃみに対しても40~60%の効果があります。

また、アルゴンプラズマ療法による治療では、ほとんど痛みがなく日帰りで行えます。